柚月裕子の震災クライムサスペンスを舞台化した『逃亡者は北へ向かう』が、6月12日より東京芸術劇場シアターウエストにて上演決定。高橋怜也、波岡一喜らが出演する。 『孤狼の血』『盤上の向日葵』などで知られる人気作家・柚月裕子が、地元・東北を舞台に描いた震災クライムサスペンス『逃亡者は北へ向かう』(新潮社刊)。震災という未曾有の状況下で浮き彫りになる人間の罪と喪失、そしてそれでもなお生き続けようとする意志を描き、第173回直木賞候補作にも選出されるなど高い評価を受けている。
そんな注目作が、東日本大震災から15年を迎えた2026年、ついに舞台化される。極限状態の中で交錯する“逃亡”と“追跡”——その緊張感と人間ドラマが、劇場という濃密な空間に立ち上がる。
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物語は、震災直後に殺人を犯し、死刑を覚悟しながらも、ある人物を探すため姿を消した青年・真柴亮を中心に展開。その背後には、津波で娘を失いながらも刑事としての使命を手放さず、彼を追い続ける男・陣内康介の存在がある。
逃げる理由と、追う理由。それぞれに背負った過去と喪失が交錯する中で、ふたりの関係は単なる追跡劇にとどまらず、人間の本質を問いかけるものへと変わっていく。彼らはどこへ辿り着くのか——その結末は、観る者すべてに強い余韻を残すだろう。
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脚本・演出を手がけるのは吉村卓也。数々の作品を手がけてきた吉村が、本作の持つ重厚なテーマに挑む。音楽はFLOWのTAKEが担当し、作品の世界観を静かに支える。
出演には、確かな演技力と存在感を兼ね備えたキャスト陣が集結。注目の主人公・真柴亮役には本作が初主演となる高橋怜也、彼を追う刑事・陣内康介役には波岡一喜。さらに村木圭祐役に前川泰之、藤島役に高橋健介、目黒役に松田大輔(東京ダイナマイト)、郷田剛役に八十田勇一といった実力派俳優が脇を固め、物語に厚みを加える。また、村木直人役は山村翔と中谷薫風によるWキャストでの出演が決定している。
舞台『逃亡者は北へ向かう』は、東京芸術劇場 シアターウエストにて6月12日〜21日上演。
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※キャストのコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■真柴亮役/高橋怜也
この度、真柴亮役として出演させていただくことになりました、高橋怜也です。素晴らしい皆様と共にこの作品を作り上げられること、とても光栄に思います。自分自身、初めての主演でプレッシャーもありますが、作品と真摯に向き合い、一つ一つ大切に届け、演じていきたいです。
■陣内康介役/波岡一喜
3人の子供がいる僕にとって、今回の役は重く苦しい挑戦になります。演出の吉村さんと、少しずつ丁寧に積み上げていきたいと思います。
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■村木圭祐役/前川泰之
柚月裕子さんの作品は『孤狼の血』を始め、読んでも観ても大好きな作品ばかりで、その世界観の中で生きられることに今からとても興奮しています。また、東日本大震災から15年経った今、「生きる意味」を改めて問うこの作品には大きな意義を感じますし、自分自身も真摯に向き合い考え、精一杯演じさせていただきます。
■藤島役/高橋健介
決して明るい物語ではないし、もしかしたら観てネガティブな気持ちになる人もいるかもしれないと思い、正直自分がこの舞台に立つことを悩みました。しかしクリエイター陣と話す中で、ここから来てくださる皆様に伝えられることがあるのかもしれない、役者としても今チャレンジする意味はあると思い今回に至りました。精一杯向き合っていきますのでよろしくお願いします。
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■目黒役/松田大輔(東京ダイナマイト)
プロデューサーの熊坂君そして脚本演出の吉村君とは何度もお仕事をさせて頂いております。このチームなら間違いないと確信しております。今回も非常に楽しみです。
■郷田剛役/八十田勇一
役者・吉村卓也くんとは明石家さんまさん座長の舞台で共演しました。さんまさんに置いていかれないよう頑張った仲です。今回は柚月裕子先生原作のスピーディでスリリングな舞台! みなさんに置いてかれないように、演出・吉村卓也くんにいっぱい檄を飛ばしてもらいます!
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■脚本・演出/吉村卓也
震災ほどなく、写真洗浄ボランティアに参加したときのこと。
うちの一枚は水を張ったバケツに浸した瞬間、僕の手の中で剥がれ落ち、ただの真っ白な台紙になってしまった。
そのときの光景を忘れることができない。
それは家族団欒の写真だった。ケーキがあったから、きっと誰かの誕生日を祝っていたのだろう。
真ん中にいたおじいちゃんか、膝の上にいた小さい男の子か。
なんにせよ、幸せな時間が切り取られたものには違いない。
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僕は無責任にも外に出て泣いた。
今になって思えば、あれはなにもできないことへの涙だろう。
運命はときに不条理になにもかもを奪っていく。
だからこそ風化させてはならない。その上で生き続けなければならない。
泣いていた僕に水を渡しに来てくれたのは、震災の当事者である市の職員さんだった。
その優しさを、強さを僕は描きたい。
舞台『逃亡者は北へ向かう』劇場でお待ちしております。
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