第79回カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞したヴィルジニー・エフィラ、岡本多緒が27日、都内で行われた映画『急に具合が悪くなる』ジャパンプレミアに出席。本作の原作となった往復書簡をつづった磯野真穂氏がお祝いにかけつけ温かいコメントを寄せると涙するシーンもあった。イベントには、長塚京三、黒崎煌代、濱口竜介監督も登壇した。 本作は、哲学者・宮野真生子と人類学者・磯野真穂による同名の書簡集を、濱口竜介がフランス・日本・ドイツ・ベルギーの国際共同制作で映画化。パリ郊外の介護施設で、施設長と闘病中の演出家が出会い、同じ名前を持つという偶然から始まる交流と、その関係の変化を描く。
満員のファンの前に登壇したエフィラは「この映画作りを始めた時から大きな冒険のようで、最初から本当に喜んでこのプロジェクトに参加しました。こうして皆様の前で、最初のプレミアム上映に立ち会うことができて、本当に夢が叶った、到達点に達したという感じがいたします」とあいさつ。
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一方の岡本も「今ヴィルジニーも言っていたと思うのですが、私たちが本当に思いを込めて撮影してきた作品を、こうして日本でプレミア上映できることを心より喜んでいます」と述べた。
受賞からしばらく経過したが、岡本は「実感としては、本当にまだまだ湧いておらず、きっとずっと湧かないままだろうなと思っているのですが、本当にたくさんの『おめでとう』という祝辞をいただいて。なんだか、オリンピックでメダルを獲った選手のような、自分自身には実感がないけれど、それによって皆様が元気をもらったとか、うれしいと言ってくださることに今、すごく感激しています」と受賞の喜びを口にした。
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続けて岡本は「私が俳優としてこの賞をいただいたという感覚ではなく、この二人のやり取りの中に生まれた何かを評価していただいたなと思っているんです。なので、本当にこれはセットとして、ペアとして受賞できたことに意味があるし、そういう風に審査員の方にもちゃんと伝わったというところが、すごくうれしいと思っています」と語った。
そんな二人の関係を生み出したのが、原作の往復書簡だ。この日は磯野氏が花束を持って、女優賞を祝福で登壇した。磯野氏は作品を丁寧に映像にしてくれた濱口監督やキャストたちに感謝を述べると「ヴィルジニー・エフィラさん、岡本多緒さん。受賞を受け、エフィラさんが岡本さんの手を引きながらステージに上がり、涙を浮かべながら満面の笑みで互いを称え合っている姿を見た時、あまり重ねてはいけないと思いますが、私と真生子さんが見たいと心から願っていたその光景を、お二人が見せてくれたように思いました。世界から愛されるだけでなく、世界を愛する俳優として、私の見えない高い高いところまで、どうか羽ばたいていってください。本当におめでとうございました」と締める。
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磯野氏のコメントに岡本は「原作を読ませていただいたときから、お二人の魂をどの様に映画に落とし込めるのだろうと、ずっと考えていました。いまお二人のシーンが思い出させるようなシーンがあったという言葉を聞いて、本当に頑張って良かったなと思いました」と涙を流すと、エフィラも「この素晴らしいお言葉に深く感謝します。人生の中で、自分が行っていることの意味を直接感じられる瞬間というのはそう多くはありませんが、今、磯野さんのお話を聞いて、全てに意味があったのだと感じることができました。それが何よりの報酬です」と感慨深い表情を見せていた。
映画『急に具合が悪くなる』は、6月19日公開。
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