クランクイン!
 中山優馬を主演に、ウォーリー木下を演出に迎え、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『蛙昇天』が、10月下旬よりKAAT神奈川芸術劇場<ホール>にて上演されることが決定した。 米ソ冷戦が激化した時代を背景に、シベリア抑留者の帰還をめぐって当時の日本社会を揺るがせた実際の事件をテーマに、木下順二が書き下ろした『蛙昇天』。発表当時から大きな注目を集め、三越劇場での初演を観劇した、当時まだ高校生だった演出家・蜷川幸雄は、衝動的なものをそのまま表現する演劇の力に強く惹かれ、この観劇体験が演劇を志すきっかけになったと後年語っている。
 本作は、誠実に生きたいと願った青年が苛烈な政治対立の渦へと巻き込まれ、ついには自殺へと追い込まれた事件を、寓意に満ちた蛙の世界に写し取った物語。世間のありように翻弄され、容易にゆがめられてしまう「個」という存在の脆さを生々しくえぐり出し、人間が存在することの意味をも問いかける。
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