シリーズ累計195万部を突破した人気ファンタジーライトノベル『最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い』のテレビアニメが7月より放送開始。強大な軍事力を誇るアードラシア帝国の第七王子・アルノルトは、弟のレオナルトに才能を吸い取られた“出涸らし皇子”と蔑まれていた。だが無能を演じていたアルノルトは、第一皇子の急逝により権力争いが激化するなか、自身を慕うレオナルトを帝位につけるべくSS級冒険者「シルバー」として暗躍し、事態を影から操っていく。このたび、アルノルト役の内田雄馬、レオナルト役の戸谷菊之介にインタビュー。原作やキャラクターの印象をはじめ、兄弟を演じるうえで意識したこと、互いの芝居への信頼、そしてアフレコ現場の裏話までたっぷりと語ってもらった。
■戸谷菊之介が語る、内田雄馬への絶大な信頼
――タイトルのインパクトも強い作品ですが、最初に企画や原作に触れたとき、お二人はどんな印象を持たれましたか?
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内田:タイトルを見て「どんな物語なんだろう?」と気になっていたのですが、オーディション原稿を読んだ段階で、アルとレオの双子ならではのやり取りや、入れ替わるような場面が描かれていて、そういったギミックが面白そうだなと感じました。実際に台本を読むと、アルやレオだけじゃない登場キャラクターたちもみんな個性が強くて、それぞれが何を起こしていくのかを追いかけるのが楽しい作品だなと感じました。物語が進むにつれて、キャラクターたちの魅力がどんどん見えてくるところも面白いですね。
戸谷:僕はやっぱり「暗躍」という言葉に惹かれました(笑)。周囲からは出来損ないだと思われている人物が、実はものすごく強い。そういう設定は昔から大好きなんです! さらに本作は、双子という設定やシルバーの存在など、アルが暗躍するための仕掛けがたくさん用意されています。ただ強い主人公が活躍するだけではなく、頭脳戦や立ち回りの巧みさも描かれているので、「暗躍」というテーマを作品ならではの形で楽しめるのが魅力だと思いました。
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――アルノルトとレオナルトの印象と、それぞれ「ここが一番魅力的だな」と感じているポイントを教えてください。
内田:アルノルトは普段こそ飄々としていて、どこか力の抜けた雰囲気を見せていますが、実は裏でさまざまなことを考えながら動いている人物なんです。もともとの気質として肩肘を張るタイプではないと思うのですが、人との接し方ひとつ取っても、その相手にどう関わるべきかを考えながらコミュニケーションを取っている。作品を見ていくと、そうしたいろいろな側面が少しずつ見えてくるので、とても面白いキャラクターだと思います。
戸谷:僕は終盤のアルがすごく好きなんです。特にフィーネと向き合う場面ですね。普段は本音をあまり見せないのに、あの瞬間だけは素の部分が垣間見えて「アルってこんな一面もあるんだ」と感じました。ここまで積み重ねてきたからこそ見える表情というか、「そのための物語だったんだな」と思える魅力がありましたね。
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内田:アルは頭が良くて優秀だからこそ、自分の本心をあまり表に出さないんですよね。でも、心を許した相手の前では意外とピュアな部分も見せる。そのギャップがまた魅力なんだと思います。一方のレオナルトは、本当に裏表のない人物ですよね。見ていて気持ちがいいですし、人のために行動することが自然にできる人だと思います。
戸谷:平和主義でお人好しなんですよね(笑)。印象的なのは、アルがレオになりきって行動する場面です。「レオならきっとこうする」と迷わず判断しているんですけど、それだけアルの中にレオへの信頼があるんだろうなと思いました。
内田:そうなんですよね。「この状況ならレオはこう判断するはずだ」という確信がアルの中にある。判断力もありますし、人としての信頼感もあるんだと思います。
戸谷:だから結局、アルだけがすごいわけじゃないんですよね。レオも本当にすごい人なんです。
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内田:アルがレオを皇帝にしたいと強く思うのも、そういう信頼があるからだと思います。この物語は、どちらか一人ではなく、二人そろってこその物語なんですよね。
――お二人が演じるうえで意識した“兄弟らしさ”や、掛け合いで大切にしたことはありますか?
戸谷:はい!(挙手して前のめりに)僕からいいですか!?
内田:どうぞどうぞ(笑)。
戸谷:雄馬さんが演じるアルは、本っ当に信頼できる存在だったんですよ! 作品の中でずっとしゃべっている役ですが、収録中にその姿を見ていると、揺るがない一本の柱がマイクの前に立っているような感覚があって。だからレオとしてアルを信頼する場面でも、自然と気持ちを込めて言葉を返すことができました。自分が何かを意識して作ったというよりは、雄馬さんに引っ張っていただいた感覚の方が大きいですね。
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内田:うれしい(笑)。でもそれで言うと、僕も戸谷くんがレオを演じてくれたからこそ、安心してボールを投げられたんです。投げたものをちゃんと受け止めて返してくれるという期待感や信頼感があったので、遠慮なく芝居ができました。実は戸谷くんとここまで密接な関係性の役を演じるのは初めてだったので、そこも楽しみのひとつだったんですよね。やればやるだけ返してくれるので、本当に心強かったです。
■内田雄馬&戸谷菊之介が明かす、収録現場の“暗躍”エピソード
――掛け合いを重ねる中で、お互いのお芝居から刺激を受けたことや、印象に残っていることはありますか?
戸谷:収録を見ていて思ったんですけど、雄馬さん(芝居で)結構遊んでいましたよね?
内田:あ、感じました? アルって、人間味をどう見せるかがすごく難しいキャラクターなんです。セリフ量も多いですし、優秀な人物だからこそ、シンプルにしすぎると少し硬く見えてしまう。だからこそ、人間的な癖だったり、ちょっとした抜け感だったりを意識して入れていました。
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戸谷:それはすごく感じました。
内田:それが成立したのも、レオがしっかり受け止めてくれたからなんです。アルは少し力が抜けていて、レオは真っ直ぐで誠実。その差が二人の魅力になればいいなと思っていました。せっかく兄弟を演じるなら、一人で完結する芝居ではなく、掛け合いの中で人間らしさを積み重ねていきたかったんです。そういう意味でも、アルとレオの関係性は、収録を重ねるごとに自然と形になっていった気がします。
――アルとレオの関係のように、収録現場でお互いに「頼りになるな」と感じたエピソードがあれば教えてください。
戸谷:アルは本当にセリフ量が多いんですけど、雄馬さんはずっと余裕があるように見えるんですよ。実際のところは分からないですけど、僕から見ると、いつもどっしり構えているんです。それはすごく頼もしかったですし、“お兄ちゃん感”があったなと思います。
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内田:うれしいですね(照笑)。でもそれも戸谷くんのおかげです。毎回テストや本番が終わった後に、戸谷くんが「すごかったです!」と言ってくれるんですよ。めちゃくちゃ褒めてくれるので、かなり気分が良くなりましたね(笑)。
戸谷:いや、本当にすごかったんです! 雄馬さんってほとんど噛まないんですよ。あれだけセリフ量があるのに、止まることなくどんどん進んでいく。ここまでの量をほぼノーミスで演じる役者さんを、僕は見たことがなくて。だから自然と「すごいです!」って言ってしまうんです。
内田:こうやって毎回褒めてくれるんです。本当に弟になってほしい(笑)。
戸谷:この作品は朝イチの収録だったんですよ。それなのに、あれだけのセリフ量をスラスラ話されていて……。
内田:確かに今回はテクニカルな難しさもある作品でした。ただ、アルというキャラクターは力みすぎないことが大事だったんです。常に気を張っている人物ではなくて、本当に必要な時だけ力が入る。だから僕自身も、なるべく余計な力を抜いた状態で臨んでいました。セリフ量は多かったんですけど、その分「このセリフで一番伝えたいことは何か」が見つけやすかったんですよね。大事なポイントをひとつ決めて、そこだけは絶対に伝える。その上で周りを組み立てていく感覚でした。
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戸谷:なるほど。
内田:逆にセリフが少ない方が難しいこともありますからね。今回は量が多かったからこそ、自分の中で組み立てやすい部分もあったと思います。
戸谷:面白いですね! 僕の方がセリフは少ないのに、何回噛んだことか……(笑)。
内田:いやいやいや(笑)。
――ありがとうございます! タイトルにちなんで、お二人が“暗躍してみたいこと/実はこっそり暗躍していること”をお聞きできたら。
内田:最近だと、家の配線ですね。コード類を隠したくて、配線カバーを付けたりしているんです。奥さんが気付かないうちにこっそり作業して「なんか部屋が綺麗になった?」みたいになるのが楽しくて。コードを暗躍させています。
戸谷:僕は今、とあることのために暗躍しています。毎日めちゃくちゃ一生懸命頑張っていて。
内田:それは言えないやつ?
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戸谷:言えないんです(笑)。「このために頑張っています!」と堂々宣言したいのですが、まだ言えない(笑)。
内田:まさに暗躍だ。
戸谷:そうなんです(笑)。いつか「これだったのか!」と思ってもらえる日が来ると思うので、発表を楽しみにしていてください!
内田:皆さん、戸谷くんの暗躍に注目してくださいね(笑)!
(取材・文:米田果織 写真:吉野庫之介)
テレビアニメ『最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い』は、7月6日よりTOKYO MXにて毎週月曜20時57分から放送。
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