S-SIZEと女優陣で創る新プロジェクト、HER-IZON WORKS Project vol.1「IDOLTIME」がこの夏、動き出す。脚本・川名幸宏×演出・植木 豪のタッグによる本作に出演するのは、菜々香、綾 凰華、太田夢莉、星波、鈴木南那佳、愛加あゆの6名。さまざまな作品で活躍する俳優陣が集結し描く「夢へ向き合うことに不器用な彼女たちが、大人の誇りを懸けて挑む、リアルな逆転劇」だ。本番まで半月を切った稽古場を取材。菜々香、綾、愛加の3名によるインタビューと稽古場の様子をお届けしよう。
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【ミニインタビュー】
――演じる役の魅力や、やりがいに感じていることを教えてください。
菜々香:私が演じるマコは、7年間バイトをしながら夢を追いかけてきた女性です。なかなか実を結ばず、悔しい思いをして、少し諦めかけている。そんな彼女が、仲間と出会って「もう一歩踏み出してみよう」と決めるんです。年齢的にも簡単なことではないなかで、それでも前に進むと決める真っすぐさが魅力的で、私自身にも重なる部分が多くてやりがいを感じています。
愛加:ランは、6人のなかで唯一、結婚して子どもがいる設定です。最初はタイトルを聞いて「えっ!?今から私、アイドルやるの!?」と自分でも驚いて(笑)。でも実際は、ただアイドルを目指す話ではなくて。家族という守るべきものが増えたなかで、「自分は本当は何がしたかったのか」を見つめ直す。他人の幸せも大切にしながら、自分自身の大切なものを見つけていく。そんなランのストーリーに、とても魅力を感じました。
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綾:アイミはお姉さん的なポジション。がむしゃらに追いかけていたものから挫折を経験して、少し違う場所に行ったら、そこにも自分の居場所があると気づいた人です。演じるなかで、自分が輝くだけでなく、みんなが輝くとうれしいという感情も芽生えてきて。誰かの輝きがこんなにうれしいんだという経験はあまりなかったので、すごく楽しいし、大事にしたいなと思っています。
――女性6人だけの稽古場は、どんな雰囲気ですか?
菜々香:この間も気づけば女子会みたいに盛り上がっていて(笑)。すごくいい雰囲気です。そういう心の繋がりが、作品にも生きてくるんじゃないかなと思います。
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愛加:私は世代的には少し上なんですけど、みんながウェルカムでいてくれて、居心地がいいんです。しかも私、ヒップホップはあまり通ってこなかったので、「先生!」と呼んだらみんなが教えにきてくれて。前にも後ろにも先生がいる状態で囲まれながら教わっています(笑)。
綾:私、自称人見知りで……。
菜々香:そうだったんですか!?
綾:そうなの。しかも稽古合流が少し後だったので、「もう蚊帳の外かな」と思っていたら、皆さんすごくあたたかく迎えてくださって。自分でも稀に見るスピードで打ち解けられました。
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――最後に、代表して菜々香さんから、本作の見どころを教えてください。
菜々香:やっぱり歌とダンスの持つ力ですね。夢を諦めかけたり、挫折したり。誰にでもある経験だと思うんですが、「もう一度乗り越えてみようかな」と思わせてくれる曲ばかりで。聴いているだけで「サントラが欲しい!」となるくらい素敵なんです。ぜひ劇場で、その音楽に乗せた私たちの物語を受け取ってもらえたらうれしいです!
【稽古場レポート】
「一回、ひっちゃかめっちゃかになろう」という植木の号令を受け、6人の表情にスイッチが入る。数分前まで談笑まじりだった空気から一転、演出卓の植木、そして植木に意識を集中させる6人からは、ほどよい緊張感が伝わってきた。
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タイトルを冠するナンバー『IDOLTIME』では、懸命に今を生きながらも、決して理想通りではない人生。そこに生まれる燻りや後悔、諦観、そして寂しさ。そんな鬱屈としたものすべてを呑み込み、光へと昇華するような力強いパフォーマンスが、一気に稽古場の空気を塗り替えた。
続く芝居シーンでは、6人の関係性や、それぞれの抱えるものが浮かび上がっていく。菜々香演じるマコの真面目さや、太田夢莉演じるナナがマコに向ける複雑な感情、星波演じるハルカと鈴木南那佳演じるサチの正反対な2人の衝突。そんな4人を一歩離れたところから見守る綾 凰華演じるアイミと愛加あゆ演じるランの大人組。誰もがどこかに自分を重ねられる等身大の6人。劇場を訪れた人は、きっとこの中に、自分の心にそっと寄り添ってくれる誰かを見つけるだろう。
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それぞれの内面を映し出す歌とダンスも、大きな見どころだ。圧巻のハイトーンで魅せる菜々香は、何度も植木のもとに足を運びセリフのタイミングを丁寧に確認していく。その間も、太田は黙々と鏡前で振付を確認し、しなやかな表現力に磨きをかけていた。星波と鈴木は、ダンスのなかに得意のアクロバットを織り込む。2人が立ち位置の確認を兼ねてアクロバットを決めると、愛加が「わ~、すごい!」とひときわ大きな歓声をあげ、稽古場に笑顔がこぼれた。綾と愛加がしっとりと聴かせるナンバーもあり、それぞれが磨いてきた武器を惜しみなく作品へと注ぎ込むなかで、「IDOLTIME」だけの景色の輪郭が見え始めていた。
ナンバーが流れる度、植木はリズムに体を揺らし、実に楽しそうに生まれつつある作品を眺めていた。とあるシーンでは、言葉のテンポにポイントを置いて「もっと盛り上がっていく感じにしたい」とオーダー。キャストからも積極的に質問が飛び、風通しのよい雰囲気が稽古を重ねるなかで醸成されていることが伝わってきた。
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懸命に生き、もがき、それでも夢を手放せない——そんな彼女たちが放つ光は、決して華やかなだけではない。燻りも、後悔も、寂しさも抱えたうえで、なお前へ進もうとする姿がそこにはあった。6人が紡ぐ「IDOLTIME」という名の時間が、劇場でどんな輝きを放つのか。その瞬間が、待ち遠しい。
(取材・文・写真:双海しお)
HER-IZON WORKS Project vol.1「IDOLTIME」は、7月30日~8月2日東京・新宿シアタートップスにて上演。
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