東京を代表する喜劇俳優たちと東京喜劇を作り上げてきた東貴博が、自身の地元である浅草で東京浅草新喜劇を旗揚げする。東が14年間、プロデュースと座長を務めた「FIRE HIP'S」での公演をともに作り上げてきた盟友・はなわをはじめ、福田悠太(ふぉ〜ゆ〜)、清水麻璃亜、井阪郁巳、永島龍之介、錦笑亭満堂、川崎愛香里、良田麻美、丸山優子と、実力派が集結。旗揚げ公演への想いや見どころについて東貴博、はなわにインタビューを行った。
■東貴博、ホーム・浅草で初の公演
――本作に対する意気込みはいかがですか?
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東:はなわとはずっとFIRE HIP'Sという劇団をやってきたんですが、去年は公演をやらなかったんです。いろいろな方から「今年はやらないの?」と声をかけてもらい、『熱海五郎一座』をずっと一緒にやっているSETさんにも相談して形になりました。はなわは歌えるしモノマネも面白いし、マストで入ってもらって。ふぉ〜ゆ〜の福田(悠太)くんは僕と同じく地元が浅草で、喜劇をやりたいと聞いていたので声をかけました。なんだか気恥ずかしくて浅草で公演をしたことがなかったんですが、地元の人からもずっと「浅草でやってよ」と言われていたので、ここらでやってみようと。浅草観音裏が舞台になっていて、地元の皆さんにすごく応援してもらえています。
はなわ:東さんとの付き合いはもう25年になります。すごくお世話になっていて尊敬する大先輩ですし、東京喜劇を引き継いで行くのは東さんだろうと。僕だけじゃなく皆さん思っているでしょうから、浅草の地で旗揚げしてくれたことも、それに参加させていただけることもうれしいです。めちゃくちゃ笑える喜劇ですが、グッとくる人情噺でもあるので、幅広い層に楽しんでいただけると思います。FIRE HIP'Sとは一味違って、東さんが目指すところも分かってくれるかなと楽しみにしています。
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――物語についても教えてください。
東:原作は大森博さんが10数年前に書いた作品。去年再演を拝見してすごく感動し、配信も観ました。自分で泣かせる台本を書こうとすると笑ってしまって書けないのでそこは大森さんに任せて、自分流の笑いを入れて脚色しました。
はなわ:恥ずかしいんですが、脚本を読んで泣いてしまいました。泣かせるシーンを結構担ってるから本番が怖いけど、FIRE HIP'Sではやってこなかったことなので楽しみでもあります。
東:見どころとしては、昭和歌謡居酒屋という設定で、はなわのモノマネショーから始まること(笑)。
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はなわ:最近は東さんとの舞台でしかモノマネをしていないので、見たい方はぜひ。東さんも普段あまりやらないキャラですよね。
東:ジェンダーの話も入ってるからね。今回は芝居部分も充実させるために一人ひとりの設定をきっちり考えました。観終わった後に「あー面白かった。何が面白かったんだっけ?」となるくらい軽い笑いがいいと思っていたんですが、自分が観たときに泣ける作品に魅力を感じることが増えて。数年前に宅間孝行さんの「タクラボ」で主演させていただいたときに、芝居しながら自然にボロボロ泣けて、自分の領域が広がった感覚があったんです。それを自分でも作ってみようと。はなわとはずっと一緒にふざけていたけど、今回は真面目なのでちょっと緊張しています。
はなわ:「家族」というテーマも時代にあっているんじゃないかな。
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東:メンバーもいいよね。チラシがすごく褒められます。地元の皆さんの協力を得て、パンフレットもメイドイン浅草でこだわって作っています。
■偉大な父から受け継ぐ「東京喜劇」への使命感
――キャストの皆さんの印象も教えてください。台本を読ませていただいて、個人的に丸山さんの役が面白くて笑ってしまいました。
東:丸山が演じる役は二役をまとめたから大変なんだけど、絶対そっちのほうが面白くなると思った。本当に実力派というか信頼のおけるメンバーしか入れていなくて。福ちゃんも相当舞台をやってるし、いろいろ観に行ってるけど芝居がきれいで癖がないから笑いに向いてるんだよね。
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はなわ:麻璃亜ちゃんもFIRE HIP'Sで一緒にやった時、めちゃくちゃ上手だった。
東:そう。満堂はすごくパワーがあるし、井坂くんはめちゃくちゃナイスガイな天然キャラ。
はなわ:顔合わせがまだなので、みなさんにお会いするのが楽しみです。
――お2人にとって「東京喜劇」とは。
東:僕は始まりが軽演劇だったから。親父(東八郎さん)が喜劇をやっていたのが一番大きいけど、周りがそういう環境を与えてくれた。意識して喜劇をやるようになったのは本当に最近だけど、子どもの頃からドリフに憧れていたし、ずっと好きだったんだと思います。
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はなわ:関西だと吉本新喜劇や漫才があるけど、東京の喜劇もなくしちゃいけないと思うと、世代的に次は東さんだなと。
東:すごい使命感。佐賀なのに(笑)。
はなわ:(笑)。僕は関係ないんですけど、東京の芸人っていうポジションでね。
東:確かに、東京出身の芸人って意外といないからね。
はなわ:うちの弟も浅草で漫才をやっているけど、喜劇とはまた違う。東さんがやらなきゃ誰がやるんだっていう。僕も子どもの頃にドリフや欽ちゃんの番組を見て育っているので、継承してほしい気持ちがあります。
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――皆さんへのメッセージをお願いします。
東:「見ないと損するよ」と言いたいです。若い世代のキャストやスタッフもすごく楽しんでくれている新たなチャレンジなので、立ち上げから見ていると、みんなの成長を見る楽しみもあると思います。物語の舞台になっている浅草観音裏は今すごく賑わっているので、芝居と合わせて浅草を満喫してほしいですね。
はなわ:嫌なことがあったり、生きるのが辛かったりする人もいると思います。笑いはそれを忘れさせてくれるので、この作品を観たら元気になるはず。パワーをもらって「次の日から頑張ろう」という気持ちになれる作品だと思います。
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東:よく「お客さんにパワーをいただきました」って言うけど、あげた方がいいよね。
はなわ:あげたいですね。友人や家族など、みんなで来ていただけたらうれしいです。1週間あるので、前半と後半で違うものになっているかもしれません。とにかく楽しい舞台になると思うので、ぜひ観にきてください。
(取材・文・写真:吉田沙奈)
東京浅草新喜劇『家族以上、父親未満』は、9月13日~9月20日に東京・雷5656会館 ときわホールにて上演。
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