『ロミオ&ジュリエット』、『1789 ‐バスティーユの恋人たち‐』などさまざまな作品で輝きを放ち、次代のミュージカル界を牽引する存在として大注目の岡宮来夢。大活躍だった2026年のラストは、主演ミュージカル「『星影の人』-沖田総司・まぼろしの青春-」で念願の新選組、沖田総司役に挑む。
◆念願の沖田総司は「日常と戦場でのギャップが魅力」
本作は、1976年に作・演出を柴田侑宏が手がけ、宝塚歌劇雪組にて初演。新選組の中でもほとんど語り継がれてこなかった沖田総司の恋に焦点を当て、幕末の京都を舞台に、芸妓・玉勇とのつかの間の逢瀬を描いた作品だ。宝塚版初演から50年を迎える今年、内藤裕子の潤色・演出により、新たな舞台作品としてよみがえる。宝塚版初演台本を基に世界観は変えることなく、原作では描かれなかった池田屋事件のエピソードを加え、剣士たちの揺れ動く心情を濃密に掘り下げる。
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――歴史ある作品への出演オファーをお聞きになった時のお気持ちはいかがでしたか?
岡宮:すごくうれしかったですし、光栄でした。宝塚での公演を映像で観させていただいたのですが、とても美しく、品があふれ出ていて素晴らしくて。「大丈夫かな? これを僕ができるのかな?」とも思いましたが、新選組の隊士を演じてみたいという気持ちがずっとありましたし、沖田くんの人生を生きることができるというのは、役者として喜びでしかないので、僕でよければぜひ、と受けさせていただきました。
――新選組や幕末にご興味をお持ちだったんですね。
岡宮:もともと日本の歴史が好きで、高校時代も日本史を選択していました。“和の心”“わびさび”みたいなものもすごく好きですし、『刀剣乱舞』にずっと携わっていますが、これからも日本の歴史に関わる作品に出会えたらいいなとずっと思っていました。
――沖田総司という男には、どんな印象をお持ちですか?
岡宮:子どもに優しくて、みんなに愛され可愛がられている沖田くんが、戦場(いくさば)に出ると誰よりも強くて剣の達人というギャップがすごく魅力的だなと思います。今回沖田くんの人生を生きるにあたって、もっともっと歴史を勉強して役を深めていくことが本当に楽しみです。
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――沖田は新選組の中でも、みんなに可愛がられる弟キャラな感じですが、岡宮さんご自身はいかがですか?
岡宮:自分で言うのもなんですけど、ぴったりだなと(笑)。
――(笑)。ご自身と沖田総司の共通点みたいなものは感じられますか。
岡宮:日常の自分と舞台上の自分では違う部分が多いですし、沖田くんも日常と戦場では全然違う顔を持った人だったと思うので、そういうところでは似ているかもしれません。あとは、僕もよく周囲から愛を持っていじられたり、可愛がっていただいたりするので、纏っている雰囲気みたいなものも、もしかしたら似ているのかも、なんてちょっと思ったりします。
――新選組の浅葱色の隊服に身を包んだ岡宮さんの凛々しいビジュアルも話題を集めました。
岡宮:浅葱色の羽織の隊服にはやっぱり憧れますよね。「誠」と描かれていて、羽織った時に重く感じました。当時の武士らしい立ち方なども指導していただいて、本当に新選組の作品に出るんだという、楽しみな気持ちでいっぱいになりました。
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◆体育会系メンバーがそろう新選組 稽古場も熱い雰囲気に
――京都の新選組ゆかりの地を訪問されたそうですが、いかがでしたか?
岡宮:芹沢鴨さんが襲撃された八木邸に足を運ばせていただいた時に、柱の刀傷を拝見したのですが、その傷が本当に深くて驚きました。「たぶんここでつまずいて、暗闇だったからここに刀が当たってできた刀傷です」とお話を聞きながら、いろんな想像を巡らせました。「当時はこの縁側から向こうに二条城があって…」と伺うと、「本当にここにいたんだ」と実感が湧いてきましたね。また旧前川邸では沖田くんが山南さんを介錯した部屋にも特別に入れていただいたりもして、実在した人物を演じるという責任を感じたというか。
僕は、例えば以前演じた小林一茶だったら、一茶さんが劇場に来ても「俺ってこういうところがあるよな」と楽しんでもらえるような役作りをしたいと思っているのですが、沖田くんに対しても同じように思いましたし、新選組の隊士の皆さんも本当に並々ならぬ覚悟で鍛錬に臨んでいたと思いますので、そういった思いをカンパニーみんなで出せたらいいなと思っています。
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――殺陣に期待してしまうのですが、今回はどんな殺陣になりそうですか?
岡宮:デビューしてからずっと刀は振ってきましたが、今回初めて鞘を使わずに両手で握るということもありますし(笑)、当時の幕末の本当の剣の使い方を体現したいです。アクション監督の奥住(英明)さんは、突きの意味、構えの意味ひとつひとつから教えてくださるので、構えひとつをとっても意味合いを持って演じることができるかなと思いますし、本当に心強いスタッフの皆様のもと、ちゃんとこだわり抜いてできたらなと思っています。
――個性豊かな顔ぶれがそろう新選組ですが、どんな雰囲気になりそうでしょう。
岡宮:土方歳三を演じる岐洲(匠)くんと殺陣の稽古が一緒の時に、「部活みたいでいいよね! もっとやりたい!」と言っていて、もうすでに道場みたいな雰囲気でした(笑)。奥住さんも熱のあるパワフルな方なので、きっと気合いの入った稽古場になるんじゃないかなと思います。桂小五郎役の笹森(裕貴)くん、山南(敬助)役の(田村)心くんも体育会系の人なので、そういう現場になるんだろうなと(笑)。
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――一方、華優希さんが演じられる玉勇さんとの恋模様も見どころです。
岡宮:華さんご自身が放つ、すごく柔らかくて澄んだオーラと、それでも一本強い芯をお持ちなんだろうなという雰囲気が本当に素敵で。本読みでご一緒させていただいた時から、話す言葉のひとつひとつが「明日からもう舞台に立てるのでは?」と思うくらいに玉勇さんそのものでした。
沖田くんにとって玉勇さんとの出会いが大きな意味を持って物語が進んでいきますので、華さんや演出の内藤さんと密にコミュニケーションを取りながら僕も頑張りたいと思っています。
――熱い男性陣と、華やかな女性陣をまとめる座長となります。
岡宮:気負いすぎることなくやりたいなと思っています。僕は座長を務めさせていただく時はいつも「誰も悲しい思いをしない稽古場にしたい」と考えていて。なるべく自分からみんなとコミュニケーションを取りながらやっていきたいです。何より、誰よりも作品に対して熱を持って向き合えるように今回も過ごしていけたらと思っています。
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◆“帝劇コン”レジェンドとの共演から生まれた新たな夢
――この夏には“帝劇コン”『New HISTORY COMING ARENA LIVE -The Imperial Theatre Symphony』が全国で大盛況でした。
岡宮:石丸幹二さん、島田歌穂さん、レジェンドゲストで登場された市村正親さんといったずっと第一線で活躍されてきた方とご一緒させていただいて、さらに(井上)芳雄さん、(堂本)光一さんがホストとして真ん中で引っ張ってくださる。ミュージカルの世界っていうのは脈々と受け継がれてきているんだなというのを、改めて実感しました。
自分としては、以前は帝劇の舞台に立ちたいという夢があってそれが叶い、今度は帝劇の0番に立ちたいという夢を持っていて。でも今回、この受け継がれてきたものをきっといつか自分たちの代が受け継ぐ時が来る。それをちゃんと受け継いで未来につないでいくという使命を僕らの世代は持っていると、より大きなものを感じました。そういう時が必ず来ると思うので、もっともっと修練を積んで、みんなでこの世界を盛り上げていけたらなと、今そんな大きな夢に変わってきています。
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――今回、サブタイトルに「まぼろしの青春」とありますが、岡宮さんにとって青春というと、どんな時期でしたか?
岡宮:先輩に「いつだって青春だ」と言われたことがあって。その時その時で、何かに燃えて必死に取り組んでいる時が青春だと。
『刀剣乱舞』でデビューさせていただいて、『刀剣乱舞』ももうすぐ終わると告知されていますが、毎年ミュージカル『刀剣乱舞』カンパニーに帰ってはみんなで作り上げてきた。僕の中で今8年目、来年で9年になりますけど、この9年間もすごく青春だし、いつだって本当に青春だと思います。この秋開催したファーストコンサート『The Fanfare』の稽古中も青春、みんなで熱く作っていく時間はいつだって青春だと思います。
『星影の人』もきっと青春になるんじゃないかな。熱い、「青春!」みたいなメンバーがそろっていますし(笑)。
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――『The Fanfare』の後は、『This is the Moment!~フランク・ワイルドホーン JAPAN 25th anniversary concert~』、そして『星影の人』があって、『カウントダウンミュージカルコンサート 2026-2027』と怒涛のお忙しさですが、プライベートとのバランスは取れていますか?
岡宮:今年の前半に大きめなお休みをいただいたんです。学生時代の友達と九州、沖縄旅行に行ったり、撮影も兼ねてウィーンに行ったりと、いろんなところに行ってリフレッシュできました。家族とゆっくり会う時間も取れて英気を養うこともできたんですけど、その間にいろんな作品を観させていただくと、早く舞台に立ちたい!という思いが前よりも大きくなったんですよね。『星影の人』は『ISSA in Paris』以来のミュージカルなので、もう気合が入りまくっちゃっていて、すごく楽しみです。
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――地元・長野での凱旋公演もありますし。
岡宮:楽しみですね! おいしいおやきをカンパニーに差し入れできたらなと考えています(笑)。
――それでは最後に作品を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。
岡宮:ずっと宝塚歌劇で大切にされてきたこの作品に参加できて本当に光栄に思います。
この作品を「大好きだったよ」「愛してたよ」という皆さんにも観てよかったと思ってもらえる作品に必ず仕上げますし、今回初めて触れるという皆さんにも「本当に面白かった」「沖田総司を来夢くんに任せてよかった」と思ってもらえるような、そんな役作りをしていきたいと思っています。カンパニーみんなで、初演の皆様、再演の皆様にリスペクトを持って作り上げていきます。劇場でお待ちしております。
(取材・文:江間ショウ 写真:米玉利朋子[G.P.FLAG inc])
ミュージカル『星影の人』-沖田総司・まぼろしの青春-は、11月19日~24日に東京・東京国際フォーラム ホールC、12月3日~7日に大阪・SkyシアターMBS、12月12日~13日に長野・長野市芸術館 メインホール、12月19日~20日に静岡・富士市文化会館ロゼシアター 大ホール、12月25日~27日に愛知・御園座にて上演。
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